浴室や洗面所などの
一部が基礎内断熱における
建物外周への防蟻処理
-目次-
01. 有料オプション 外周処理について(費用含む)02. 基礎内断熱の空間に入れないことが多い理由
03. 基礎断熱の素材と白蟻リスク
04. 基礎内断熱空間への散布におけるデメリットと注意点
05. 基礎内断熱空間におけるテコラの対応と保証
06. 基礎内断熱空間における外周処理 最後に注意点や費用等 -まとめ-
有料オプション
外周処理について
有料オプション
外周処理について
寒冷地ではない関西において、多くの住宅では、住宅の断熱と言えば床の裏側に断熱材を設置する
「床裏断熱」が一般的です。
床裏に断熱材を設置する床裏断熱
浴室などの一部分には
基礎(コンクリート)面に断熱材を貼りつける「基礎内断熱」にするケースが増えています。
床を張る前の床下の基礎内断熱
通常の薬剤散布処理を行った場合においても、断熱材表面にしか薬剤がかかりません。
(下図のオレンジ色の線)
そのため、床下に侵入した白蟻を駆除する本来の白蟻防除処理の効果が見込めない構造でもあります。
基礎断熱材へと侵入し、
木材を加害する白蟻の侵入経路
一部(浴室や洗面所など)が基礎内断熱だった場合に限り
通常床下処理とセットでの有料オプションとして、欧米などの海外では一般的な
建物の外側で白蟻を止める外周処理をスタート致しました。
≪基礎内断熱浴室の外周処理イメージ図≫
≪実際の作業写真≫
一部の内断熱箇所への
外周処理費用
一部の内断熱箇所への
外周処理費用
(有料オプション)
1m以下は全て1mとなり、
それ以上は10cm(330円)ごととなります。
※通常床下防蟻処理とセット時の追加オプション価格となります。
浴室に断熱材が設置されている場合
1.8m+1.8mm=3.6m
×6,600円=23,760円(税込)
今なら
×3,300円=11,880円(税込)
浴室と洗面所の両方に設置されている場合
1.8m+1.8m+1.8m=5.4m
×6,600円=35,640円(税込)
今なら
×3,300円=17,820円(税込)(税込)
・雨天時や、該当箇所に作業員および機器が入らない場合は処理が出来ません。
・外周がコンクリート舗装されている箇所への処理はお断りしております。
・通常白蟻予防処理の「追加オプション」となるため、単体での施工はお断りしております。
・一部処理を前提としておりますため、建物外周の半分以上に及ぶ範囲への処理はお断りしております。
ここからは、
基礎内断熱の浴室における白蟻リスクと共に
テコラが外周処理を開始した理由などを
詳しくご説明していきます。
基礎内断熱の空間に入れないことが多い理由
基礎内断熱の空間に
入れないことが多い理由
(浴室などの)基礎内断熱では…
・基礎面に断熱材を貼り付ける
・外からの冷気を入れないよう密閉状態にする
このような状態を作り出すことが重要で、これにより床下空間の温度を一定に保ち、
その上に位置する床上(冬場の浴室の床面など)を保温する構造となっています。
言うなれば、床下において
発泡スチロールで出来た「保温・冷凍ボックスの中」の状態を作り出しているのです。
中の温度は一定に保てず、冷凍したものを入れてすぐに溶けてしまいます。
同様に、断熱材を設置した空間に外気が入り込む穴や隙間を作ると断熱効果は得られません。
そのため、床下(基礎断熱)空間は必ず密閉された状態にする必要があります。
たまに、基礎断熱の効果が全くない
残念な施工をしている床下を目にすることもあります。
配管類を浴室下に設置してしまっているため
断熱材で覆うことが出来ず、外気が入る隙間だらけの基礎断熱
蓋もなく最初から開口している状態の基礎断熱
従来の浴室への入り口(人通口)は、
下写真のようになっており、他の床下空間と同様に進入が可能です。
基礎断熱のない従来の浴室への入り口
(左側が浴室への人通口)
一方、基礎断熱を設置している浴室の人通口は、
空気の流れが生じないように閉じて(蓋をして)いるため、入れないようになっています。
発泡プラスチック系断熱材で蓋がされている状態のため浴室側へは移動できない
硬質ウレタンフォーム断熱材で蓋がされている状態のため浴室側へは移動できない
こうなると、もちろん
基礎断熱の床下(浴室など)への防蟻処理は出来ません。
もし、「浴室側へ入れない」からと言って、
無理に断熱材を押して壊して(割って)入ったり、カッターなどで切って穴を開けて入ったりした場合には
全ての隙間を塞ぐ補修を行わないと、穴が開いている(隙間が出来ている)状態のままでは断熱性能は下がります。
そのため、ハウスメーカーによっては
建築後に漏水時などの確認・修理が出来るよう
床下の基礎面に開閉が可能な専用蓋(断熱基礎点検口)を設置しているところもあります。
浴室下が確認出来るように取付けられている
「断熱基礎点検口」
基礎断熱の素材と白蟻リスク
基礎断熱の素材と
白蟻リスク
ただ、断熱基礎点検口が設置されており、基礎内断熱の床下空間に入ることが出来る状態であったとしても
通常の薬剤散布処理と同等の効果が期待できる防蟻処理は出来ません。
基礎面に貼られている断熱材は、
発泡スチロールのような「液体をはじく性質」で出来ています。
断熱材の中や裏側の基礎面(侵入し床上に上がる経路)に薬剤はかかりません。
断熱材が白蟻を防蟻薬剤から守る盾となって、
床下に入ってきた白蟻を食い止めることが難しくなります。
断熱材ですから、白蟻にとっては土の中よりも温度変化が少なく(冬でも温かく)、
素材も柔らかく、居心地も良いこともあり、断熱材の内側に巣を作ってしまうケースもよくあります。
断熱材の中に巣食う白蟻
「防蟻処理済み断熱材」を使用している場合も稀にあります。
しかし、通常の断熱材よりも値段が高く、
さらに、浴室の一部分だけのために「防蟻断熱材」を使用しているハウスメーカーは、
残念ながらほとんど目にしたことはありません。
また、基礎断熱の建物に対して、家の全体の防蟻対策として使用している工務店もありますが、
「防蟻断熱材」は断熱材自体が白蟻被害に遭い難いのであって、
断熱材表面や基礎と断熱材の間は、白蟻が通ることが出来るということは忘れてはいけません。
基礎内断熱空間への散布における
通常量散布のデメリットと注意点
基礎内断熱空間への散布における
デメリットと注意点
また、薬剤散布が可能だった場合においても散布自体が、白蟻以外の側面において、デメリットとなり得ることがあると言う事実も
知っておいていただく必要があるかもしれません。
再度、例え話となりますが
もし、保温保冷ボックスの中に、大量の水を入れてから蓋をすると
中の水が乾くまでにどれくらいの時間が掛かるでしょうか?
これと同じで、
大量の液体を基礎断熱の空間に散布し、直後に蓋をして(密閉して)しまうと、
散布した液体(水分)はどのように乾いていくのでしょうか?
基礎断熱の浴室床下空間
木材やパネルなどの他部材を劣化させていく可能性もあります。
家の劣化(木材への食害被害)を防ぐ防蟻工事を行い、
その影響により、他の劣化原因(木材の腐朽やカビの繁殖)を生じさせることになるのは、
まさに本末転倒でもあります。
木部カビ
散布後に一定時間は空気を通し、床下を乾かすことが必要となります。
こういったことを知らない業者(もしくは作業者)によって、防蟻処理を行ってしまった場合
防蟻処理をしたことによるメリットよりも、
むしろ、デメリットの方が大きくなる可能性すら考えられるのです。
基礎内断熱空間における
テコラの対応と保証
基礎内断熱空間における
テコラの対応と保証
ここまでお伝えし通り構造上、基礎断熱の建物においては、
床下空間に侵入した白蟻から家を守る薬剤散布処理だけでは不十分となってしまいます。
とは言え、
家の設計から行う注文住宅ではなく「建売住宅」の場合、
浴室や洗面所、場合によっては玄関土間の下などに基礎断熱が設置されていることがわかるのは、
家が建った後(床下点検の時など)がほとんどではないかと思います。
既に建築された住宅に設置された基礎断熱は、
今更何を言ってもどうしようも出来ません。
そのため、テコラでは
家を建てた会社(プロ)ではない「お客様に非はない」という考えの下で
下記の対応を行っております。
■内断熱の床下に入れない場合■
建築時の断熱性能を維持するためにも、
無理やり断熱材を損傷させてまで基礎断熱空間に入ることは致しません。
ただ、もちろん、この場合においては、該当箇所における散布処理は行えません。
しかし、未処理だから(処理が出来ないから)と言って
「この場所から白蟻が出ても当社は知りません」では、さすがに申し訳が立ちません。
そのため、特例として、万が一の白蟻発生時には、断熱材撤去後に無償で駆除を行います。
■内断熱の床下に入れる場合■
白蟻害の影響も考慮し、通常よりも散布量を抑えて散布を行います。
ただし、上記でお伝えしました通り、本来の効果が見込めない構造のため、
この場合も、特例として、万が一の白蟻発生時には、断熱材撤去後に無償で駆除を行います。
処理後にすぐ蓋をしてしまうと内側の薬剤が乾かないため、
処理後数時間後に、お客様にて床下にある蓋(基礎点検口の蓋)を閉じていただく場合もございます。
多くの方が「他に何か良い方法はないの?」とご質問されるのもまた事実です。
そういった経緯もあり、当社では2024年6月より有料オプションとして
内断熱箇所の外側から防蟻処理を行う「外周処理」を開始致しました。
基礎内断熱空間における外周処理
最後に注意点や費用等
-まとめ-
基礎内断熱空間における外周処理
最後に注意点や費用等
-まとめ-
少し話は逸れますが、
アメリカやオーストラリア、ヨーロッパでも白蟻被害は発生しています。
しかし、「靴を脱いで玄関に上がる」という概念がないこれらの国では、
日本のような床下空間がほとんど存在しません。
日本のように床下の空間で白蟻を止めることが出来ないため
建物の周りに薬剤処理(外周処理)を行い白蟻を止めるというのが、
海外では一般的な防蟻処理でもあります。
海外では一般的な外周処理
海外では一般的な外周処理
外周処理にて防蟻処理を行う場合も多々あります。
全体が基礎断熱や床下がないなど、
構造上、床下における処理が出来ない住宅も増え
外周処理を行う業者も増えてきています。
薬剤の河川への流出や、雨や豪雨による薬剤の希薄化に伴う持続性への懸念もあり、
外種処理を推奨していませんでした。
しかし、使用する薬剤の性質や海外での同薬剤(アルトリセット)を使用した外周処理の事例なども多く存在し
加えて、薬剤メーカーのご説明もあり、国内の野外試験結果の資料をいただいた結果、
テコラで使用する薬剤(アルトリセット)において、このようなリスクの可能性は極めて低く、
むしろ、薬剤自体の安全性も含め、当薬剤以上に外周処理に適した防蟻薬剤はないと言うことがわかりました。
そのため、外周処理に関しては
通常の白蟻予防工事の補足工事(追加オプション)として
下記3つのいずれにも当てはまらない場合に限り、当追加処理のご依頼をお受けしております。
①浴室(基礎内断熱箇所)の外側がコンクリート舗装されている
浴室の外周が土・砕石・芝生ではなく
コンクリートなどにより舗装されている場合(犬走り等)、
コンクリート面をドリルで穴をあける必要があります。
しかし、その際に誤って水道や電気、ガスなどの配管を貫通もしくは損傷する恐れがあるため、
コンクリート箇所における処理は、原則お断りしております。
②積雪・雨天時
床下処理などの屋内における処理と違い、屋外での作業となるため
大雨や台風などの悪天候の場合においては、各種機器が雨により故障する可能性が考えられます。
そのため、悪天候の際には外周処理をお断りする場合がございます。
(少量の雨であれば、問題ありません)
③該当箇所で作業が出来ない
隣地との幅が狭い場合や、室外機などにより処理箇所へ入っていけない場合には
作業が出来ず、お断りする場合がございます。
どのような処理が可能かも含め、
実際に床下および現地を確認いたしました担当者より、
最適な方法を詳しくご説明させていただきます。
お客様のお住いのご自宅の浴室等が基礎内断熱だった場合において、
外からの対策が可能な条件が整っている場合には、当オプションのご利用が可能ですので、
少しでも白蟻被害に対する憂いを軽減していただけると幸いです。
内断熱箇所への
外周処理
内断熱箇所への
外周処理
(有料追加オプション)
※1m以下は全て1mとなり、
それ以上は10cm(330円)ごとの計算となります。
※通常床下防蟻処理とセット時の追加オプション価格となります。