草津市・守山市に生息する
ヤマトシロアリ

現在、人口増加に伴い、
新しい家が建ち続けている守山市と草津市

この両市は、昔から「森の掃除屋」として知られる白蟻が多く生息し
その中でも、建物への被害件数が国内では最も多い「ヤマトシロアリ」が生息しています。

このヤマトシロアリは、
日本国内ほぼ全域（北海道の一部を除く）に生息しており、
湿気の多い環境にある土壌、および、水分を含む木材を好んで食べる傾向があります。

草津市南部の山地・丘陵地に潜む白蟻リスク（草津市）

立命館大学周辺の山地・丘陵地

草津市の南東部に位置する
立命館大学周辺の若草、桜が丘、笠山などは
かつて、木々も多い山地や丘陵地でした。

立命館大学周辺の山地・丘陵地

2025年 現在（GoogleMap）

1961~1969年の同エリア
（参照：国土交通省 地図・空中写真閲覧サービスより）

この地域には、昔からヤマトシロアリが
自然の一部として、大量に生息していたと考えられます。

本来の生息地の上に餌で家を建てているわけですから、
このエリアに建つ住宅は、
白蟻被害に遭うリスクが極めて高いと考えられます。

京滋バイパス周辺の段丘・谷底平野の白蟻リスク（草津市）

次に、草津市の南笠東、野路など、
JR東海道線とJR新幹線の間に広がるエリアは、
段丘や谷底平野を造成した住宅地です。

草津市の地質を含む地形図
（参照：地形と地質（草津市）より）

特に谷底平野（地形図の水色「V」の場所）は、
周囲の山から雨水・地下水が集まりやすく、
湿気が抜けにくい地形でもあります。

宅地造成で大量の土を盛ることで、
さらに水はけが悪くなり、地中における湿気がこもりやすくなります。

また、段丘を平らにする造成では
斜面を削ったり谷を埋めたりするため、
埋め立てた盛土部には自然と湿気が残りやすく、シロアリの好環境になることがあります。

そのため、白蟻の生息環境として好条件となっている場所では
木造住宅において、白蟻被害への注意が特に必要となります。

低地・水田エリアの白蟻リスク（草津市・守山市）

そして、最後が、
守山市や草津市の大部分を占める
水田として利用されていた低地エリアです。

草津市の地質を含む地形図
（参照：地形と地質（草津市）より）

守山市ほぼ全域や
草津市の多くの面積（上笠、野村、渋川、南草津、矢橋など）を占める場所は
「後背湿地（地形図の白色「Bs」の場所）」と呼ばれます。

「後背湿地」とは、名前の通り、
地下水位が非常に高く、湿気が逃げにくく、
水はけも悪いため、水がたまりやすい性質をもっているのが特徴でもあります。

稲作（水稲）においては、
このような水はけが悪い（＝保水力のある）環境は好条件となります。

また、追分、青地町、草津なども、
昭和以前まで、長きに渡り、水田として利用され、
川だけでなく池なども多くあった場所です。

野村など琵琶湖通り周辺
※写真右下にJR草津駅

2025年 現在（GoogleMap）

1961~1969年の同エリア
（参照：国土交通省 地図・空中写真閲覧サービスより）

しかし、水稲には適していても、
住宅を建てる土地としては、条件が悪く
通常、表面には土砂を入れて、埋め立てることにより
建築前に地盤改良を行うのが一般的です。

しかし、表面が乾いているように見えてはいても、
地下水位が高い環境は、変わりません。

そのため、水田として利用してきた土地の地中には
水分を多く含む粘土層や腐植土が残りやすく、
湿潤な環境を好むヤマトシロアリにとっては絶好の環境となってしまいます。

新築時に白蟻予防処理を行っている理由

このように、草津市・守山市では、
どのエリアにおいても、木を使用した住宅を建てるのであれば、
白蟻への対策が必要なことがわかります。

そのため、2000年以降に建築された木造戸建て住宅のほぼすべてに、
新築時の「防蟻処理」が行われているかと思います。
「建築時に処理しているのは、法律で定められているからでしょ？」
と、考えている方も多いかもしれません。

しかし、実は建築基準法では、
「必要に応じて防蟻措置を講じなければならない」とあり必須ではないため、
建築会社が「白蟻は出ない」と考えるのであれば、
わざわざ防蟻処理をしなくても良いのです。

プロである建築会社が「このエリアは白蟻が出る可能性がある」と考えているからこそ、
白蟻予防を新築時に実施しているのです。

きっと、住宅購入時に渡される「建築書類一式」に、
下図のような「しろあり防除保証書」が入っているかと思いますので、
下図のような一度確認してみてください。

家族を守るために出来ること

一般的な新築時の防蟻処理では、5年の薬効が切れてしまい、
その後は、白蟻の侵入に対しては「無防備」となってしまいます。

よって、知らぬ間に白蟻は進入し、
知らぬ間に被害が拡大していきます。

地震大国でもあるこの日本では、
「耐震性」が家と家族を守るためにも重要視されています。

しかし
もし、家を支える木材が白蟻に食べられてしまえば
「耐震等級」など全く無意味です。
だからこそ、私たちテコラでは
新築時の防蟻処理の薬剤効果が切れてしまった戸建住宅にお住いの方々には、
大切な家族を守るためにも、白蟻予防（家を守る対策）を強くお勧めしております。