栗東市に生息するヤマトシロアリ

2001年に「市」となった栗東市は、
南（もしくは東）の山地・丘陵地と
北（もしくは西）の扇状地でもある平坦地に大きく分かれ
その両エリアにおいて、
木材への加害を行うヤマトシロアリが生息しています。

ヤマトシロアリは、土と餌（木）、
そして、水があれば
北海道の一部を除き、日本中どこにでも生息していると言われています。

栗東市は、地域ごとに異なる白蟻リスクの特徴があるため、
ここでは、栗東市を「南部（東部）」と「北部（西部）」に分けて解説します。

栗東市の南部
名神高速道路以南の山地・丘陵地・谷エリアの白蟻リスク

栗東市の南部、
もし、線を引くとすれば、
名神高速道路周辺を含む南側のエリアとなるかと思います。

たとえば、下戸山、安養寺、小野、高野、六地蔵、
そして、もちろん、金勝・御園・荒張など、
金勝山を中心とした山地および丘陵（段丘・谷を含む）に位置するエリアが該当します。

この地域は、もともと雑木林や山林が広がっていた自然豊かなエリアで、
昔から、シロアリが多く生息していた場所でもあります。

栗東市南部の様子

2022年

1961~1969年の同エリア
（参照：国土交通省 地図・空中写真閲覧サービスより）

昭和以降、宅地開発が進み、
現在では多くの住宅が立ち並んでいますが、
シロアリが長年暮らしてきた場所に、
その餌である木材で作られた家々が建てられているのです。

まさに、白蟻のホームグラウンドに
彼らのエサを置いてしまっているような状況とも言えます。

南部の標高図

また、御園・下戸山・小野・六地蔵の一部、
そして、金勝川周辺の上の地形図で赤・黄・緑（標高のある丘陵地や山地）から
水色へ変わろうとする箇所と水色の箇所は
谷や斜面を意味し、このような場所に造成された宅地エリアでは、特に注意が必要です。

なぜなら、このような場所は水の通り道（or だった場所）であり
これらの周辺は、地下水位が比較的高い可能性があるため、
土壌内の水分により、シロアリが活動しやすい好環境が整っていると考えられるからです。

栗東市の市街を含む北部
扇状地（平坦地）エリアの白蟻リスク

一方、栗東市の市街地を含む北部には、
野洲川から運ばれてきた砂礫が堆積して形成された扇状地でもある
平坦な土地が広がっています。

地名を挙げるなら
川辺、上鈎、蜂屋、大橋、宅屋、出庭、
さらには西側に位置し、栗東駅を含む綣や小平井など、
栗東市の人口の多くが、この扇状地エリアに住んでいます。

一般的に、扇状地は水はけの良い土地とされていますが、
実際にはそのすべてが均一ではありません。

特に、川沿い・扇状地の末端（扇端部）・谷筋が広がる低地では、
地下に粘土層があり、水がたまりやすくなります。
栗東市の北部は、この川沿いの当たるエリアでもありあｍす。

栗東市の河川流域
（参照：栗東市生活排水対策推進計画（栗東市）より）

このようなエリアでは、逆に、この水はけの悪さ（保水力）を活かし、
昔から「水田」として利用されてきた経緯があります。
今でも西側を含め、栗東市には多くの水田が見られます。

栗東市南部、下鈎・野尻・苅原など周辺エリア

2025年 現在（GoogleMap）

1961~1969年の同エリア
（参照：国土交通省 地図・空中写真閲覧サービスより）

このように、水分を多く含む土壌環境は、
湿気と湿った木材を好む白蟻にとって理想的な生息地となります。

また、このような土地に家を建てるには
地盤改良や造成が必要となります。

しかし、地中の地下水位を変えることまでは出来ませんから、
比較的、地表に近い部分に水があることが多いのです。

また、山から大量の土砂を運び入れて造成されるケースも多く、
その過程で白蟻が土砂ごと平地へ移動してきた可能性も否定できません。

このように、土壌環境だけでなく 昭和以降の人口増加に伴い、多くの住宅が建てられ、
それに伴い、敷地内の庭木や植栽、道路に植えられた木々など
白蟻にとっては、餌が身近に、そして、豊富に手に入る環境が整っているのです。

新築時に白蟻予防処理を行っている理由

このように、現在の栗東市では
エリアに関係なく、白蟻の食害（被害）が毎年発生しています。

そのため、2000年以降に建築された木造戸建て住宅のほぼすべてに、
新築時の「防蟻処理」が行われているかと思います。
「建築時に処理しているのは、法律で定められているからでしょ？」
と、考えている方も多いかもしれません。

しかし、実は建築基準法では、
「必要に応じて防蟻措置を講じなければならない」とあり必須ではないため、
建築会社が「白蟻は出ない」と考えるのであれば、
わざわざ防蟻処理をしなくても良いのです。

プロである建築会社が「このエリアは白蟻が出る可能性がある」と考えているからこそ、
白蟻予防を新築時に実施しているのです。

きっと、住宅購入時に渡される「建築書類一式」に、
下図のような「しろあり防除保証書」が入っているかと思いますので、
下図のような一度確認してみてください。

家族を守るために出来ること

一般的な新築時の防蟻処理では、5年の薬効が切れてしまい、
その後は、白蟻の侵入に対しては「無防備」となってしまいます。

よって、知らぬ間に白蟻は進入し、
知らぬ間に被害が拡大していきます。

地震大国でもあるこの日本では、
「耐震性」が家と家族を守るためにも重要視されています。

しかし
もし、家を支える木材が白蟻に食べられてしまえば
「耐震等級」など全く無意味です。
だからこそ、私たちテコラでは
新築時の防蟻処理の薬剤効果が切れてしまった戸建住宅にお住いの方々には、
大切な家族を守るためにも、白蟻予防（家を守る対策）を強くお勧めしております。