河内長野市に生息するヤマトシロアリ

白蟻は「森の掃除屋」とも呼ばれており、
古木や枯れた木などを消化・分解し、自然に還すという森林においては重要な役割を担う生き物です。



言い換えると森林の土壌には、それだけ多くの白蟻が生息していることを意味します。

また、白蟻にもいくつか種類が存在するのですが、
この関西において家屋等への被害の多くが
ほとんどが「ヤマトシロアリ」によるものであり、
河内長野市には、昔からこのヤマトシロアリが多く生息しています。

ヤマトシロアリの特徴

被害の進行が遅い分、知らぬうちに加害が拡大してしまうことに加え、
複数の巣（コロニー）から同時に加害される可能性もあり、
日本国内の白蟻被害件数としては群を抜いて多く、
注意が必要な白蟻が、このヤマトシロアリです。



目に見えない木材内での空洞化を引き起こすことにより、
地震の多いこの日本において、
大きな揺れがあった際に、初めて
白蟻の食害による影響が表面化（家屋の倒壊）してしまう怖さもあります。
これは、「骨粗鬆症と似ている被害」とも揶揄される場合がある程です。

白蟻の被害が目に入る箇所まで広がった頃には、
既に木材の中がスカスカになっている。

これが、白蟻被害の特徴とも言えます。 また、庭や敷地内の木製の杭などが餌場となっている場合もよく見受けられます。

河内長野市に白蟻が多い理由

河内長野市は、東に金剛山地、南に和泉山脈となっており、
現在においても、市の70％を森林が占めています。

これだけでも、白蟻が多く生息することは明白なのですが、他にも理由があります。

（参照：用途地域｜令和4（2022）年3月 河内長野市より）

「白蟻が湿気の多い環境を好む」というのは、
多くの方が耳にしたことがあるのではないでしょうか？

通常、川や池・水田の近く、
そして、そのような場所を埋め立てたエリアが挙げられます。


しかし、河内長野市においては、
そういった場所だけではなく、
もともと内陸性の湿潤温暖な気候でもあることにより、
土壌自体が白蟻の好む環境となっていることが多いといったことも考えられるため、
白蟻に対して注意が必要なのです。

地面に放置され、白蟻に食べられた木の杭

また、忘れてはいけないのが、
多くの住宅地が、もともと白蟻が多く生息する山麓や丘陵地、そして、川に沿って出来た谷だった場所を、
宅地造成し、作られているということです。

町名に「台」と言う字が入るエリア（南花台、青葉台、、美加の台、清見台、あかしあ台など）や、
「丘」と言う字が入るエリア（南ヶ丘、旭ケ丘、貴望ケ丘、松ケ丘、楠ケ丘、桐ケ丘、自由ケ丘など）は
そういった土地だということを意味しますが、
言い換えれば、昔から白蟻の住んでいる土壌の上に、
彼らの餌である木材で作られた家が大量に建っているということを意味しています。


また、こういった漢字が含まれていない場所であっても、加賀田、大矢船、大師町、荘園町、
そして、原町、木戸、市町、片添町などに至るまで
山や丘陵地に囲まれ、森林・川・池の多い河内長野市であれば
どこであっても、白蟻のリスクと隣り合わせの環境とも言えます。

新築時の防蟻処理の必要性

白蟻にとっては「（家を構成する）木材」と「枯れ木」との違いはなく、
どちらも彼らにとっては「餌」であることは間違いありません。


少し誇張して言えば、
白蟻の生息に適した（むしろ、昔から白蟻が生息していた）土壌の上に、彼らの餌で家を建てれば、
被害に遭って当然と言えば当然です。

そのため、このように白蟻の生息地に木造住宅が建てられている
河内長野市においては、
2000年以降に建築された戸建ての多くに、
新築時の「防蟻処理」が実施されているかと思います。

「建築時に処理しているのは、法律で定められているからでしょ？」
と、考えている方も多いかもしれません。

しかし、実は建築基準法では、
「必要に応じて防蟻措置を講じなければならない」とあり必須ではないため、
建築会社が「白蟻は出ない」と考えるのであれば、
わざわざ防蟻処理をしなくても良いのです。

プロである建築会社が「このエリアは白蟻が出る可能性がある」と考えているからこそ、
白蟻予防を新築時に実施しているのです。

きっと、住宅購入時に渡される「建築書類一式」に、
下図のような「しろあり防除保証書」が入っているかと思いますので、
下図のような一度確認してみてください。

家族を守るために出来ること

一般的な新築時の防蟻処理では、5年の薬効が切れてしまい、
その後は、白蟻の侵入に対しては「無防備」となってしまいます。

よって、知らぬ間に白蟻は進入し、
知らぬ間に被害が拡大していきます。

地震大国でもあるこの日本では、
「耐震性」が家と家族を守るためにも重要視されています。

しかし
もし、家を支える木材が白蟻に食べられてしまえば
「耐震等級」など全く無意味です。
だからこそ、私たちテコラでは
新築時の防蟻処理の薬剤効果が切れてしまった戸建住宅にお住いの方々には、
大切な家族を守るためにも、白蟻予防（家を守る対策）を強くお勧めしております。