貝塚市の地形と白蟻リスク

貝塚市は、海と山に恵まれた環境の良い町ですが、
それは同時に、白蟻の被害とは常に隣り合わせの場所ともいえます。

また、特に近年注意が必要なのが、外来種でもあるイエシロアリへの対策です。

そのため、今回は白蟻被害が出やすい理由と、
イエシロアリに絞って、説明していきたいと思います。

山林だった造成地エリアにおける白蟻リスク

「森の掃除屋」とも言われる白蟻は、
枯れ木や倒木などを食べ分解することが自然界の役割であり、
森や林のように餌となる木が多くあった場所は、昔から白蟻が大量に生息していた場所でもあります。

そのため、かつては雑木林や竹林、蜜柑などの果樹園など自然に近い環境だった土地で、
昭和・平成以降に宅地開発が進められた地域は注意が必要です。

また、このような場所は、今でも近くに自然が残る場所も多く、
まさに白蟻のホームグラウンドの上に、彼らの餌である木材で出来た家が建っているのです。

- 標高図 -

オレンジの場所が山地や丘陵地

例えば、木積・蕎原などだけではなく、
東山・三ツ松・名越・清児なども、このような場所となります。

また、その中でも、特に注意が必要なエリアが、山あいに広がる造成住宅地です。

造成時に「盛土」によって土地を平らにしている場所が多く、
水はけが悪くなる傾向があるためです。

湿気を好む白蟻にとってみれば、
このような場所は、以前よりも更に生息に適した環境になっているとも言えます。

池や川の近く、
および、田んぼや湿地だった
低地の白蟻リスク

一方、貝塚市の海に面した西部から中央部に広がる低地。

これらの多くが、昔は河川沿いの低地や田んぼだった場所で、
そこを昭和以降、宅地化によって住宅地として利用している場所が多いのが特徴です。

例えば、
半田・堀・王子・地藏堂・近木町・石才・加神・久保・橋本などです。

これらのエリアは、近木川や津田川などの流域にあたり、
地形的に雨が降ると水が集まりやすい地形であり
東部の山地や丘陵地からの水が集まる西部の低地は、水はけの悪い場所も多く存在します。

よく「川や池が近いと、白蟻の被害が出やすい」と言われます。

これは、土壌の水分が抜けにくい場所が多く、
乾燥を嫌う白蟻にとって、絶好の生息環境となるためです。

もちろん、川や、市内に点在する池の周辺もそうですし、

昔から、水持ちの良さ（＝水はけの悪さ）を利用した「水田が広がっていた場所」は、
湿地や池などと同様に、水はけが悪い場所が多いのが特徴です。

結果、このような場所の上に建つ住宅は、
地中に湿気が残りやすく、乾きにくい性質が残っています。

池や川の近く、および、田んぼや湿地だった低地では、
地表はアスファルトや芝生で整っていても、家の下の土壌には常に湿気が多く、
シロアリが活動しやすい環境が広がっていることも少なくありません。

イエシロアリの発生リスクが高い貝塚市

また、貝塚市は
日本に昔から生息している「ヤマトシロアリ」の被害だけでなく、
外来種でもある「イエシロアリ」の被害が発生する可能性があるエリアでもあるため、
特に注意が必要です。

イエシロアリは、「日本の侵略的外来種ワースト100」だけでなく、
「世界の侵略的外来種ワースト100」にも認定されており
シロアリの中でも、最も被害が深刻な種として世界中で恐れられているのです。

ヤマトシロアリが、数千～数万匹の巣となるのに対し、
イエシロアリは、1つの巣に数十万匹～100万匹以上と言われています。

そのため、食害のスピードが非常に速く、
防蟻効果のない木材などが狙われてしまうと、
数か月で床や柱が空洞になるほど進行することもあります。

さらに、自分で水を運んで乾いた木にも侵入する能力があり、
湿気がほとんどない場合でも、気づかないうちに広範囲を食い荒らされること多く、
家の壁一面に巣をつくることもあるほどです。

イエシロアリによる壁内被害

まさに、家が丸ごと餌になる状態とも言えるのが、
このイエシロアリなのです。

新築時の防蟻処理の必要性

このように、湿気を好むヤマトシロアリだけでなく、
イエシロアリによる被害までもが発生するリスクのある貝塚市においては、
2000年以降に建築された戸建ての多くに、新築時の「防蟻処理」が実施されているかと思います。

「建築時に処理しているのは、法律で定められているからでしょ？」
と、考えている方も多いかもしれません。

しかし、実は建築基準法では、
「必要に応じて防蟻措置を講じなければならない」とあり必須ではないため、
建築会社が「白蟻は出ない」と考えるのであれば、
わざわざ防蟻処理をしなくても良いのです。

プロである建築会社が「このエリアは白蟻が出る可能性がある」と考えているからこそ、
白蟻予防を新築時に実施しているのです。

きっと、住宅購入時に渡される「建築書類一式」に、
下図のような「しろあり防除保証書」が入っているかと思いますので、
下図のような一度確認してみてください。

家族を守るために出来ること

一般的な新築時の防蟻処理では、5年の薬効が切れてしまい、
その後は、白蟻の侵入に対しては「無防備」となってしまいます。

よって、知らぬ間に白蟻は進入し、
知らぬ間に被害が拡大していきます。

地震大国でもあるこの日本では、
「耐震性」が家と家族を守るためにも重要視されています。

しかし
もし、家を支える木材が白蟻に食べられてしまえば
「耐震等級」など全く無意味です。
だからこそ、私たちテコラでは
新築時の防蟻処理の薬剤効果が切れてしまった戸建住宅にお住いの方々には、
大切な家族を守るためにも、白蟻予防（家を守る対策）を強くお勧めしております。