生駒市とシロアリ

東に生駒山、西に矢田丘陵を望む丘陵地帯に位置する生駒市は
昭和に入るまで、ほとんどの場所が、もともと自然林や雑木林だった場所です。

生駒市は、平地が少なく、傾斜地を造成し、徐々に生駒山の上へと開発が進んでいった歴史があります。

- 1980年代の生駒山と生駒市 -
（参照：生駒市オープンデータポータルサイト 1985生駒山と生駒市街航空写真より）

また、生駒市は、
昔から白蟻の被害が絶えないエリアでもあるのです。

これには、生駒市特有の地形が関わっているため、
今回は、なぜ白蟻被害が出やすい街なのか、
そして、どのような白蟻が生駒市には発生しているのかを説明していきます。

雑木林やその周辺だった場所に建つ家の白蟻リスク

「森の掃除屋」という異名を持つ白蟻は
本来、自然界において、倒木や枯れ木などの自然のゴミを分解する役割を担っています。

そのため、山地や麓などの森や林の多い場所は、
昔から、シロアリのホームグラウンドでもあるのです。

また、白庭台や上町台などのように
地名に「台」が付くエリアだけでなく
桜ケ丘やひかりが丘などの地名に「丘」が付くようなエリアのほとんどが
上記のような場所を宅地化した場所になります。

こういったエリアは、白蟻が大量に生息している場所の上に、
彼らの餌である木材を使用した家を建てているため、対策が必ず必要と言えます。

川沿いや谷すじ、山すその田んぼだった場所の白蟻リスク

次に、注意が必要なのが、土壌の湿気が多くなりやすい場所です。

湿気が多い場所と言うと、竜田川や富雄川などの川沿いや池の近くなどを想像しがちですが
川沿いだけではありません。

山間や谷すじなどの地形は
両サイドからの水が集まる場所でもあり、
このような場所は、地下水位が高く（水はけが悪く）、土中の湿気がこもり易くなります。

生駒山脈と矢田丘陵に挟まれた中央のエリアすべてが、
まさに、この地形なのです。

結果、生駒谷とも言われる中央のエリアは水はけが悪く、
湿気を好む白蟻からすると、生息に適した土壌環境でもあるのです。

こう言った場所は、
その保水性を活かし、長く水田だった場所が多いのが特徴でもあります。

- 生駒市の水田 -
（参照：生駒市オープンデータポータルサイトより）

例えば、
富雄川周辺のエリアだけでなく
竜田川沿いの小瀬町・有里町・壱分町のように
川沿いのエリアの多くが当てはまります。

こういった、川沿いや山すそ、谷間の旧水田地を造成した住宅地は
盛り土をしても、地下水位が高く水分を多く含む土壌構造は変わりません。

そのため、このようなエリアに建つ住宅は、
白蟻被害から家を守る対策が必要となります。

「築浅だから」「高級住宅街だから」は関係ない

今でも、多くの住宅が建つ生駒市ですが
高級住宅地であっても、本来白蟻が大量に生息している場所に、
餌である家を建てているのですから、対策を何もしていなければ狙われて当然です。

これは、築浅の住宅にも言えることです。

建って間もない建物が被害にあっているのは、
この業界の人間からすると、普通に見聞きすることでもあります。

考えれば当たり前のことですが
「築年数」や、「土地の値段」で
加害するかどうかを白蟻は考慮などしないのです。

ヤマトシロアリによる被害

生駒市には、日本で最も被害件数が多いと言われる
「ヤマトシロアリ」という白蟻が主に生息しています。
被害の進行が遅い分、知らぬうちに被害箇所が拡大してしまうことに加え、
複数の巣（コロニー）から同時に加害される可能性もあるため、
住宅においては、注意が必要な白蟻がこのヤマトシロアリです。



また、目に見えない木材内での空洞化を引き起こすことにより、
地震の多いこの日本において、大きな揺れがあった際に、
初めて白蟻の食害による影響が表面化（家屋の倒壊）してしまう怖さもあります。
これは、「骨粗鬆症と似ている被害」とも揶揄される場合がある程です。

白蟻の被害が目に入る箇所まで広がった時には、既に木材の中がスカスカになっている。

これが、白蟻被害の特徴とも言えます。 また、庭や敷地内の木製の杭などが餌場となっている場合もよく見受けられます。

新築時の防蟻処理の必要性

このように、白蟻被害が今でも毎年確認されている生駒市では
2000年以降に建築された戸建て住宅の多くに、
新築時の「防蟻処理」が行われているかと思います。

「建築時に処理しているのは、法律で定められているからでしょ？」
と、考えている方も多いかもしれません。

しかし、実は建築基準法では、
「必要に応じて防蟻措置を講じなければならない」とあり必須ではないため、
建築会社が「白蟻は出ない」と考えるのであれば、
わざわざ防蟻処理をしなくても良いのです。

プロである建築会社が「このエリアは白蟻が出る可能性がある」と考えているからこそ、
白蟻予防を新築時に実施しているのです。

きっと、住宅購入時に渡される「建築書類一式」に、
下図のような「しろあり防除保証書」が入っているかと思いますので、
下図のような一度確認してみてください。

家族を守るために出来ること

一般的な新築時の防蟻処理では、5年の薬効が切れてしまい、
その後は、白蟻の侵入に対しては「無防備」となってしまいます。

よって、知らぬ間に白蟻は進入し、
知らぬ間に被害が拡大していきます。

地震大国でもあるこの日本では、
「耐震性」が家と家族を守るためにも重要視されています。

しかし
もし、家を支える木材が白蟻に食べられてしまえば
「耐震等級」など全く無意味です。
だからこそ、私たちテコラでは
新築時の防蟻処理の薬剤効果が切れてしまった戸建住宅にお住いの方々には、
大切な家族を守るためにも、白蟻予防（家を守る対策）を強くお勧めしております。