自然界における
白蟻の役割とは

当社サイトにおいて、何度かお伝えしていることでもありますが、
白蟻は、本来、自然界において「森の掃除屋」と呼ばれる通り「木を分解する」という大事な役割を担っています。

（参考記事：シロアリに「森を守る保険」の役割、実験で解明）

そのため、山や森林は彼らのホームグラウンドでもあり、
多くの白蟻が生息し、「白蟻がいない森は枯れる」と言われるほど、自然界において彼らは重要な存在でもあります。

このように、白蟻は、餌となる木が豊富な森や林の土壌に多く存在し、人間よりも遥かに昔から木を消化・分解しながら生きてきたのです。

このことを踏まえた上で、
八幡市の地理的なリスクを見ていきたいと思います。

八幡市の西部（男山周辺）の白蟻リスク

京都府南部に位置する八幡市には、
男山（麓を含む）とその周辺に人口の大半が住んでいます。

ピンクの部分が「市街化区域」
（参照：八幡市 八幡市立地適正化計画 2020年より）

もともと森林（山地）だった男山には、
1970年以降になると京阪樟葉駅に近い男山・橋本エリアにて、
「くずはローズタウン」や「男山団地」などの大規模な宅地造成による開発が行われた歴史があります。

これにより、この時期に多くの住宅が男山周辺に建てられ、
短期間に八幡市の人口は2倍にまで増加したと言われています。

現在の八幡市（GoogleEarth）

開発前 1961年（昭和36年）の同エリア
（参照：国土交通省 地図・空中写真閲覧サービスより）

そして、現在でも、多く住宅が男山を中心に麓の水田地帯までのエリアに建てられており、
まさに白蟻の本来の住処でもある森林だった場所の上に、家が建っているのです。

言い換えると、
多くの住宅が、もともと白蟻が多数生息していた場所に、
彼らの餌でもある木材を使用した住宅が建っているという状態と言っても過言ではないのです。

八幡市の東部（水田地帯周辺）の白蟻リスク

また、木津川が流れる東部に広がる低地には、水田や畑が今でも多く見られるエリアとなっています。

ご存知の方も多いように、
白蟻は、湿気の多い場所を好むため、水と関連する場所には多く発生する傾向があります。

それは、川や池、水田の近くというだけでなく、
そういった場所を埋め立て作られた造成地などの場合、白蟻の発生しやすい土壌の上に、家が建っている状態とも言えます。

そのため、東部の水田地帯だからといって、
安心できる場所ではないということも忘れてはいけないことの一つです。

また、元々は田畑だった場所で、
尚且つ、森林が近くにあった男山麓の比較的平坦な場所にある住宅地などは、特に注意が必要です。

新築時の防蟻処理の必要性

このように、八幡市では住宅の多くが、白蟻のいる土地に建てられていることもあり、
2000年以降に建築された木造戸建て住宅のほぼすべてに、新築時の「防蟻処理」が行われているかと思います。
「建築時に処理しているのは、法律で定められているからでしょ？」
と、考えている方も多いかもしれません。

しかし、実は建築基準法では、
「必要に応じて防蟻措置を講じなければならない」とあり必須ではないため、
建築会社が「白蟻は出ない」と考えるのであれば、
わざわざ防蟻処理をしなくても良いのです。

プロである建築会社が「このエリアは白蟻が出る可能性がある」と考えているからこそ、
白蟻予防を新築時に実施しているのです。

きっと、住宅購入時に渡される「建築書類一式」に、
下図のような「しろあり防除保証書」が入っているかと思いますので、
下図のような一度確認してみてください。

家族を守るために出来ること

一般的な新築時の防蟻処理では、5年の薬効が切れてしまい、
その後は、白蟻の侵入に対しては「無防備」となってしまいます。

よって、知らぬ間に白蟻は進入し、
知らぬ間に被害が拡大していきます。

地震大国でもあるこの日本では、
「耐震性」が家と家族を守るためにも重要視されています。

しかし
もし、家を支える木材が白蟻に食べられてしまえば
「耐震等級」など全く無意味です。
だからこそ、私たちテコラでは
新築時の防蟻処理の薬剤効果が切れてしまった戸建住宅にお住いの方々には、
大切な家族を守るためにも、白蟻予防（家を守る対策）を強くお勧めしております。